こんにちは「海老名の不動産屋」大樹不動産の茨木です。
現在、建築費の高騰が問題となっています。
「一戸建てを検討していたけど、今後が不安でどうすれば良いのかわからない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一戸建ての建築費はどれくらい高騰したのかについてご説明したうえで、理由や今後の見通しについても解説します。
一戸建てを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら一戸建て建築費はどれくらい高騰したのか
ここでは、過去10年間でどれくらい木造住宅の建築費が高騰したのかについて解説します。
建築費指数とは
建築費指数とは、特定の建設市場の「建築プライス」や「建築コスト」の水準を表した指数の総称のことです。
このように2つに分類され、プライスに基づいた水準を建築プライス指数と言い、コストに基づいた水準を建築コスト指数と言います。
そのため、建築費指数を表す場合は、プライス指数なのか、もしくはコスト指数なのかを明確にしなければなりません。
また、これらのプライスやコストに含まれる工事範囲や金額についても明確にする必要があります。
一般的にこれらの指数は、地域・用途・規模・構造・グレードなどによって分類されます。
そして、特定の建設市場で金額水準の動向を把握するために用いられるのです。
たとえば、5年前のプライスを100とした場合、現在のプライスは105となるといったように、特定の時点となる値を100として表されるのが一般的です。
木造住宅の建築費指数
ここでは、2011年1月を100とした場合の動向を見てみましょう。
建築費・工事原価・純工事費・設備費について確認していきます。
2022年4月時点の建築費は138.4、工事原価は132.1、純工事費は134.7、設備費は113.1と年々上昇傾向にあることがわかります。
また、純工事費をみると前月比0.2%上昇しており、主な内訳をみてみると鉄筋が0.09増、木工が0.04増、電線やケーブルが0.04増、その他が0.01増、衛星配管は0です。
しかし、マイナスとなる細目はありませんでした。
さらに、前年同月比14.5%上昇しており、主な内訳は木工が11.96増、その他が1.69増、鉄筋が0.37増、衛星配管が0.2増、電線やケーブルが0.16増となっています。
一方、マイナスとなったのが鉄筋加工組立で0.01減でした。
これらを比較すると、約10年間で全体的に高騰していると言えるでしょう。
一戸建て建築費が高騰した理由
上記では、過去10年間で建築費が高騰していることがわかりました。
ここでは、建築費が高騰した理由について解説していきます。
バブル景気の崩壊・リーマンショック
1991年頃から急激に景気が後退し始め、バブルが崩壊しました。
多くの中小企業が破綻し、建設業界でも倒産や廃業が相次ぎます。
バブル崩壊によって、多くの建設業者が廃業となりましたが、建設業界が人手不足になることはありませんでした。
人手も少なくなった一方で、仕事も減少したためです。
その後、2008年からリーマンショックが始まり、経済界においても強烈な打撃となりました。
同様に、建設業界も大打撃を受けます。
また、多くの施工業者では職人の高齢化が問題になっており、工事費の下落によって、給与は安く収入は安定しない危険な仕事ということもあり、職人を目指す若者は減少しました。
アベノミクス
2012年に自民党が大勝をおさめ、第二次安倍内閣が発足し、2013年にアベノミクスを掲げました。
民主党政権が公共事業を削減したのに対し、安倍政権は公共事業の拡大をおこないました。
こういった背景から、建設業界はさらに人手不足が加速することとなります。
オリンピック開催決定
2011年5月、国際オリンピック委員会において、2020年夏季オリンピックが東京でおこなわれることが決定しました。
そのため、東京にメインスタジアムの建設をはじめとする多くの建設需要が起こります。
そうすると、人手不足は慢性化し、あらゆる現場で人手が足りなくなりました。
また、ゼネコンの間では職人を取り合うようになります。
ウッドショック
2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって操業停止状態に追い込まれ、建築資材の生産や輸送が停滞します。
コロナ禍で、アメリカの建築資材の流通が危機的状況に置かれ、急速にインフレによって人件費や原材料費が高騰し、建築資材の価格が上昇している状況です。
ウクライナ侵攻
2022年2月末からロシアがウクライナに侵攻したことによって、さらなる追い打ちをかけています。
なかでも、ロシア産木材は、壁や床用木材として日本の輸入量の6割を占めているにも関わらず、米欧に対抗し輸出を禁止しました。
それによって、東京では5か月連続で木材価格の最高値を更新しています。
また、セメント製造で使用する石炭もロシアから輸入しているため、全体的に高騰していると考えられます。
〈↓仲介手数料0円で不動産を購入するなら↓〉
一戸建て建築費における今後の見通しについて
コロナ禍やウクライナ侵攻によって、木材が高騰していますが、今後はどうなっていくのでしょうか。
ここでは、今後の見通しについて解説します。
半導体不足
ウッドショックに加え、半導体も不足しているのが現状です。
2011年4月を基準に比較してみると、2021年11月では124.5%になっていることがわかります。
2021年3月頃のウッドショックと比較しても、約1割程度は上昇しています。
これは、リーマンショック以上の上昇率です。
また、7年半ほど前の2015年4月頃と比較すると、20%程度上昇していることがわかります。
2022年4月からは資材の値上がりラッシュとなり、住宅資材においても高騰していると言えるでしょう。
人手不足は解消できる?
オリンピック開催前は、オリンピックが終了すれば人手不足も解消されると言われていました。
しかし、人手が減っているにも関わらず公共事業の増加やオリンピックが重なったために不足しているのです。
多くの施工業者の廃業や、職人の引退、さらに職人の高齢化問題が課題となっています。
一方、若い人は職人になることを敬遠しているため、高齢化した職人同士で現場を支えている状況です。
そのため、オリンピックが終わっても人手不足は解消されず、今後も職人の数は減少し慢性的になっていくと考えられます。
いつが買いどき?
現在、建築資材の価格や人件費がインフレによって高騰していることから、建築コストは統計が始まった1987年以来、最大の上昇率を記録していると言われています。
米国労働統計局の生産者物価指数の分析では、非住宅の建築コストは過去1年間において平均24%以上も上昇しているようです。
仕入れコストが増大することによって、当然利益率は下がります。
また、資材の納入が滞ることによって、建設スピードも遅くなることが予想されます。
こういった建築業界の苦しい状況は、今後もしばらく続くでしょう。
そのため、一戸建ての建築を検討しているのであれば、早めに行動することをおすすめします。
住宅資材が年々高騰していることや、少子化による人手不足は解消できないことから、できるだけ早いほうが良いと言えるでしょう。
まとめ
建築指数は、特定の建設市場で金額水準の動向を把握するために用いられています。
建築費の高騰には、さまざまな要因が考えられますが、追い打ちとなったのはコロナ禍によるウッドショックや、ウクライナ侵攻です。
今後も資材高騰や人手不足の解消は難しいことから、住宅を検討している方は早めに行動することをおすすめします。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら大樹不動産 メディア 担当ライター
大樹不動産【株式会社大樹不動産】は新築戸建て・マンションを中心に、海老名市エリア周辺の不動産情報を数多くご提供している不動産会社です。ユーザーの方に有益な情報をお伝えするため、ブログでも不動産情報を多数ご紹介しています。